スタジオ訪問 | Shida Manami

スタジオ訪問 | Shida Manami

東京都でガラス作品を制作されているShida Manamiさん。彼女が使われているシェアアトリエを訪問しました。作品の裏側を覗いてみましょう

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たくさんのスケッチ。線の強弱を出せる鉛筆でよく描かれているそうです。
アトリエの個人スペースでは、ガラス板のカットや作品の接着作業を行います。

 

ーーガラスの魅力を教えてください。

ガラスは周りの景色や光を取り込むため、日常生活ではその存在感が薄れてしまいがちですが、実際はとても存在感のある素材だと思います。

周囲に溶け込んでいるようで、どこかで溶け出しているような、不思議な素材だと感じます。これで何が作れるのだろうという、わくわくする気持ちがいつもあります。

あと、ガラスの特徴である透明感。その表情によっては冷たくも温かくも感じられるところが魅力の一つだと思います。

表面に薄い線が現れるように焼く前にカットを入れます。
磨きの作業。
仕上げでさらに磨きます。
自作された窯。

ーーインスピレーションの源を教えてください。

自然の風景や植物です。これらを作品のモチーフに選ぶことが多いですね。

私は青森県十和田市の出身で、地元は自然がとても豊かなんです。子供のころは川でドジョウを捕まえたり、木に登ったり、木の実を食べたりして、外でよく遊んでいました。そうした幼少期の楽しい思い出が心に残っています。

地元はとても湿気が多いんです。家の近くには川や湖、沼、渓流があり、水の近くが私にとってとても落ち着く場所でした。モチーフに水がよく登場するのは、こういう背景があるからだと思います。なので旅先でも、つい水場を探してしまうんですよ。笑

自然や植物そのものの面白さと、懐かしい感覚を重ねて思い描きながら手を動かしています。懐かしさが愛おしさに変わる感じです。

ーーこれから作ってみたいもの、使ってみたい技法などありましたら教えてください。

今まではガラスだけで作品を完成させてきましたが、これからは他の素材と組み合わせた作品も作っていきたいと考えています。今は石と組み合わせた作品に取り組んでいて、これをさらに進化させたいと思っています。

石も自然物なので、石とガラスはとても相性が良く、組み合わせることで作品の周りに心地よい空気感が生まれると感じています。その感覚をさらに研究していきたいです。



Profile photo credit 2024, Manami Shida

SHIDA MANAMI
Glass Artist

青森県出身。武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 ガラス専攻 2019年度卒業生。現在はガラス工芸の様々な技法を幅広く用いて、水辺を感じさせるようなオブジェやモビール作品を制作している。

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@shida_m_