スタジオ訪問 | nangoo glass accessory

スタジオ訪問 | nangoo glass accessory

ガラス作品の制作だけでなくご自身のギャラリー、Gallery+Shop Loquatも運営されている、nangoo glass accessory主宰の南宮智子さん。素敵なギャラリーに併設されている小さなアトリエにお伺いしました。彼女の作品が生まれる背景をちらりと覗いてみましょう。

作品はこちら

作る時に大切にしていること

自分が欲しいものを作ることですかね。きっと自分が欲しければ、他にも欲しい人がいるかなと思っているので。

ーーシンプルで良いですね。小さいものを作られているのは、小さいものが好きだからですか?

それはバーナーで作れる大きさに制限があるからですね。でも、ちょっと制限がある方が作りやすくて、たぶん自分のサイズ感にも合ってるのだと思います。すごく大きいものを作りたい気持ちは無いので。

急に自由にオブジェを作って良いよと言われても、作れないんですよ。本当は何を作っても良いはずなんですけどね。例えば「身につけるもの」とか、何かしらテーマがあって、その中でどういうものが良いかなって考えることが好きです。

制作する空間はもうちょっと広い方が本当はいいんですけど。笑 小さい世界の方が逆に広がりを感じる気はします。

材料のガラス棒。
バーナーを使ってガラス棒を溶かしながら、ブローパイプに巻きつけます。
コロコロと転がして形を整えます。

インスピレーションの源

外に出ることが好きなので、外でインスピレーションを受けることが多いですね。最近はサイクリングをしたり、ピクニックをしたり。作業してる時はずっとこもっているので、 仕事がない時はお天気が良ければ外に行きます。

南宮さんの世界観が詰まった小さなアトリエ。

影響を受けたアーティスト

思想の面では特にいないんですよね。それぞれの作家さんから、この人の色がいい、形が好き、など感じたことをなんとなく自分の中で消化することで、作品に少し影響が出ているとは思います。

強く影響を受けるような好きな作家さんがいたら、きっと楽しいんだろうな、とは思いますけどね。例えばすごく好きな映画監督がいて、その人の過去の作品を一から全部観る感じではなくて、私の場合は2~3人くらい好きな監督がいて、その人の新作が上映されたら観に行こうかなっていうスタンスで割と広く浅い感じかもしれないです。

ーー色の使い方がとても素敵だなと思います。参考にしているものや、色の組み合わせの決め方をぜひ教えてください。

材料であるガラス棒を見ながら決めることが多いですね。ガラス棒の持つ色が既にかわいくて、色んな種類があるので。例えば一色決めて、これに合う色はどれだろうと、組み合わせを決めていくこともあります。
あとは展示に参加するときは季節感を重要視しています。その時にしかない展示にしたいと思ってるので。ガラス棒の色を見て、季節を感じながら色を選んでいます。

カラフルなガラス棒。見ているだけでワクワクします。

たまに煮詰まってくると、どんな色が好きなのかわからなくなってしまう時があります。笑 どんどん視野が狭くなって消去法で選んだり、ワンパターンなるときは、本当にこれで良いのかなと不安になるときがあります。そういう時にいつも見る本があるんです。Frank Stellaというアーティストの本です。

Frank Stellaの作品集。

これは高校の図書室で借りたことがきっかけで、貰った本です。元々色に対して苦手意識があったんですよ。大学受験のために通っていた美術予備校の講師に「ダサい、川崎の田舎者みたいな色だ」って言われていた時期があって。笑 当時は多分マゼンタのようなヴィヴィットな色だけを結構使っていたのだと思います。

このあたりのページをじっと見て、派手な色の脇にちょっと渋めの色が良いかな、とか考えるんですよ。でもガラスには全く同じ色がないので、ちょっと参考にするぐらいです。ここのページだけよく見ているので、ボロボロです。笑 

色に対する苦手意識があったからこそ、 色についてよく考えるようになって、それから今はあまり考えなくても感覚で色を選べるようになりました。

厚みが均一になるように吹きます。

制作の面白さと難しさ

まず溶けたガラスを扱っているだけで楽しいです。あとは色の組み合わせを考えることですかね。特別大変なことはないです。楽しいから制作を続けられているのだと思います。

まあ、ガラスを削ると爪も削られて痛いとか、ずっと作業していると手や腕が疲れた、肩が凝った、手が熱いなど、身体的な大変さはありますけど。特別ないですね。

そんなに人に期待されているとも思っていないので、自分に精神的なプレッシャーを与えていないのかもしれないです。でも新しいものを作るときは、他の人にも良いと思ってもらえるかな、と心配になることはあります。自分の個人的な趣味を表現しているのですが、自己満足になるのはすごく嫌なんですよ。 誰かに見てもらって、いいよねって共感してもらいたい気持ちがあるので。

ガラス玉を真鍮の棒に接着する工程。
最後にバーナーで炙って表面を整えて出来上がり!

これからチャレンジしてみたいこと

モビールだけの展示をしてみたいです。白い空間をモビールだけで埋めてみたいですね。今は1つの作品の中での色の組み合わせやバランスを考えているんですけど、空間全体での見せ方を考えてみたいです。展示を開催したい場所があるので、ちょっと勇気を出してアプローチしてみようかなと思っています。

nangoo glass accessory 南宮智子

武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科ガラスコース卒業。
2004年からnangoo glass accessoryとして活動を開始し、ガラスアクセサリーやモビールを制作している。バーナーでガラスを熔かし、身につける人を想像しながら、1点ずつ丁寧に作っている。2009年より、自宅ギャラリー「Gallery +Shop Loquat」をオープン。自身の作品を常設で取り扱う他、お気に入りのクラフト作家さんを招いて展覧会を開催している。

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Instagram: @nangooglass