インタビュー | MANO MANI

インタビュー | MANO MANI

「儀式のように、手にしたときに素材との繋がりを感じられること。」

MANO MANIは陶芸家Julie Boucheratが立ち上げたレーベル。ユニークでのびやか、そして象徴的な形を思い描き、素のままの線と豊かな質感で表現している彼女の作品が生まれる背景をちらりと覗いてみましょう。

彼女の作品はこちら


レーベル名「MANO MANI」の由来を教えてください。

MANO MANIはイタリア語で「手と手」という意味です。イタリアは私にとってとても縁のある地で、私はイタリアの国境付近であるフランスのニースの生まれ、そして父の家族のルーツはは旧イタリア領のコルシカ島です。

MANO MANIは職人の手仕事

MANO MANIは4、6、8つの手が共に働くこと、共同で作り上げる喜び

MANO MANIは手から手に渡る、本物のコレクション

MANO MANIは手と手をとり合う、幼少期の思い出

なぜ陶芸作品を作り始めたのですか?

装飾・デザイン業界でのジャーナリストとして7年パリで勤めた後、自分の原点に戻るため2016年に辞めると決意しました。陶芸家である母の影響で幼少の頃から慣れ親しんできた、大地の生きた素材に。家具職人の祖父と裁縫師の祖母がいる芸術、職人家系で育ったため、制作することが暮らしの中にあることがとても自然でした。私にとって土で作ることは自然で本能的な行為であり、喜びと充足感をもたらしてくれます。瞑想の一種であり、大地と触れ合うことでもあります。

 

 

なぜフランス、バスク地方のビアリッツを拠点にしているのですか?

4年前、私の娘Maoが生まれた頃はパリに住んでいました。私にとってパリは、若く、子供がいなくて、文化的に豊かな仕事をしている時に住むにはとても素晴らしい街です。でも私は南出身だから周りに自然が必要でした。そして娘には、海、森、山に囲まれて、季節に導かれるユニークな生き方をする幼少期を送ってほしかった。また、伝統的な文化が色濃く残る土地に住み、陶芸工房を作りたいと考えていました。それで見つけたバスク地方は、私たちにとって理想的な場所です。家はバイヨンヌに、工房は大西洋岸にあるビアリッツに構えています。

 

 

何からインスピレーションを受けますか?

数多の芸術、工芸、素材、そして人にインスパイアされます。芸術・デザインの分野では、イタリアの芸術運動、アルテ・ボーヴェラがとても好きです。また、バスク地方の彫刻家、Eduardo Chillidaにとても影響を受けています。その他にも順不同ですが...Joan Miró、Pierrette Bloch、恩地 孝四郎、Sheila Hicks、Frida Kahlo、Martin Margiela、Pablo Picasso、Louise Bourgeois、Valentine Schlegel、The Giacometti family、 Bernard Leach、Giorgio Morandi、Amédée Ozenfant、Domenico Gnoli... ありすぎます!
工芸品や手仕事全般に興味がありますが、特に日本のものをもっと知りたいです。陶芸はもちろん、刺繍、木工、カゴ細工など、できることなら何でも学び、実践してみたいですね。ブラシやバスケット、スプーンなど、日常的なものの持つ詩的な佇まいが好きなんです。インスピレーションは、私たちを取り巻く自然の中にも、先人たちが築き上げた文明の遺産にも、いたるところにあります。特に象徴主義や神話にとても心惹かれますね。

 

 

作るときに大切にしていることは何ですか?

独学で作っているため、試して、実験して、探して、失敗して、それから見つける必要があるのです。自分の動きを理解し、描いた形を得るために、全体の流れを掴むことが大切です。私には時間が必要で、作る前にたくさん考えますが、土の前にいるときは流れに身を任せます。土は強い意思を持っているので、それに耳を傾けることがとても好きなんです。

 

 

技法や素材に対するこだわりを教えてください。

私は間違いや不規則性、曲線、有機的な形が好きなんです。だから、ろくろを使わないんです。使うのは、クリーム色、黒、赤、濃い赤の砂岩だけです。それぞれの土の色を作品に生かし、釉薬との反応の違いも楽しんでいます。*化粧土は旅先の自然の中で拾った野生の土から作ったシンプルなものを好んで使っています。釉薬はすべて手作りで、自然な色合いとマットな仕上がりのパレットを独自に開発しています。
常に素の質感を探求しています。儀式のように、手にしたときに素材との繋がりを感じられることがとても大切だから。
*化粧土とは水と粘土を混ぜたもので、スリップとも呼ばれます。器の表面を覆う装飾的な技法で使われるものです。

 

 

これからチャレンジしてみたいことは何ですか?

アート作品を作ること、より機能的なオブジェを作ることの間で、常に自分自身と対話をしています。私はこの往復が好きで、クリエイティブなバランスを保つために必要なのです。将来的には自分の小さな窯を作り、原始的な野焼きを試して、地元に根付いた制作をするためにもっと地元で採れた土使い、常に新しい造形と施釉の技術を学びたいと考えています。日本や日本の人々ともっと一緒に仕事をしたいですし、日本で展示会をすることも夢のひとつです。

*All photo credit 2022, François Devulder / MANO MANI

 


店主のつぶやき

このインタビューに使われている写真は全てMANO MANIさんに提供していただいたものです。作品の持つ素朴さユニークさが際立つ、そして匂いまでも感じられそうなスタイリング、写真にも心を惹かれて今回声をかけました。いつか彼女の作品が生み出される工房のある、ビアリッツを訪ねてその伝統が残るその土地の雰囲気、豊かな自然を感じてみたいものです。


MANO MANI by Julie Boucherat

MANO MANIは陶芸家Julie Boucheratが立ち上げたレーベル。ユニークでのびやか、そして象徴的な形を思い描き、素のままの線と豊かな質感で表現した作品が特徴的。日本の侘び寂びの概念やアフリカのプリミティブな形からインスピレーションを受けた彼女の作品は、炻器で作られており自身で作った釉薬が使われている。また、それぞれの作品に独自性を持たせるため、手捻りで制作されている。

彼女の作品はこちら

Website https://www.manomani.fr

Instagram @bonjourmanomani